寒い季節になると恋しくなる鍋料理。その中でも一風変わった名前を持つ「ぼたん鍋」をご存知ですか?名前だけでは想像しにくいこの料理、一体どんなものなのでしょうか。
実は江戸時代の「生類憐みの令」によって、肉食が禁止されていた時期に隠語としてこうした名前が広まったという説もあります。今回は、ぼたん鍋の由来や他のお肉の呼び名についても詳しくご紹介します。
ぼたん鍋とは?その由来と歴史

ぼたん鍋とは、イノシシの肉を使った鍋料理のことです。主に味噌をベースにした濃厚なスープで煮込まれ、冬のご馳走として親しまれています。
この名前は、お肉の盛り付け方にも由来しているそうで、薄切りにしたイノシシの肉を花びらのように円形に並べると、まるで牡丹の花のように見えることから「ぼたん鍋」と呼ばれるようになったとも言われています。
イノシシ肉は、脂身に甘みがあり、適度な噛み応えが特徴。ジビエ料理の中でも手軽に楽しめる一品として人気があります。特に関西地方を中心に、古くから伝統的な冬の料理として親しまれてきました。
ぼたん鍋に使われるお肉の特徴
ぼたん鍋に使用される「猪肉(いのししにく)」は、独特の風味や食感からジビエ好きの間で高い評価を得ています。特に、脂身が白くきめ細かい冬のイノシシは「寒ジシ」とも呼ばれ、最も美味しいとされています。
脂が溶け出したスープは、深いコクと旨味があり、野菜やきのこ類との相性も抜群です。味噌仕立てのスープは臭みを抑える効果があり、初めて食べる人にもおすすめの調理法です。
他にもある、ユニークなお肉の呼び名
ジビエ料理の世界では、肉の種類ごとに独特の名前が付けられることがあります。ぼたん鍋にちなみ、以下のような呼び名も覚えてみてはいかがでしょうか?
かしわ肉=鶏肉
昔の日本では鶏の羽の色が柏の葉に似ていることから、この名前が付いたとされています。現在でも、特に関西地方を中心に鶏肉のことを「かしわ」と呼ぶことが多いです。
もみじ肉=鹿肉
鹿の脚が紅葉の葉に似ていることが由来とされ、癖が少なく赤身が多いのが特徴です。鉄分が豊富でヘルシーな食材として注目されています。
さくら肉=馬肉
新鮮な馬肉の赤色が桜の花の色を連想させることから、こう呼ばれるようになりました。刺身や焼肉として食べられることが多く、甘みのある上品な味わいが楽しめます。
まとめ
ぼたん鍋とは?
- イノシシの肉を使った鍋料理。
- お肉を牡丹の花のように並べたことが名前の由来。
- 特に冬の寒ジシは脂が甘くて美味しい。
他のユニークな呼び名
- かしわ肉:鶏肉。
- もみじ肉:鹿肉。
- さくら肉:馬肉。
ジビエ料理にはその土地ならではの呼び名や調理法があり、知れば知るほど奥深い世界です。これらのお肉を楽しむ機会があれば、ぜひ名前の由来にも思いを馳せてみてみてはいかがでしょうか。